Sin
「あんた、なんてんだ?」

ジャックは素直には教えず、彼ともう一つ取引する。

「ある条件を飲んでくれるなら教える」

シンはガタ、と音をさせて逃げる態勢を整えた。いちいち怯えるのは何故なのだろう。

「しばらくここに住んで僕と一緒に食事をすること。商店街の物を盗まないこと。どうだ? 守れるか?」

シンにとって有利な条件にも関わらず、彼は不服そうに口を尖らせた。

「二つもかよ。だから、大人はずるいってんだ」

「じゃあ教えない」

ジャックがくるりと背を向けるとシンは小さく舌打ちした。


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