Sin
恐る恐る握ろうとしてシンが手を伸ばした、その時。

『触るな、汚い』

記憶の中で誰かが囁いた。びく、とシンの手が止まる。

目に映っている彼の白い手と、自分の浅黒い手。

……触れても、いいのだろうか?

『オマエハ キタナイ――』

差し出されたその手を握る事を躊躇しているシンに気付いたのか。

セイジは自分から手を伸ばしてシンの手をしっかりと握り、笑顔で言った。

「元気になったんだね、よかった。みんなシン君の事待ってるよ」


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