Sin
「待て」

恐る恐る振り返ったシンに店主はくいと手招きした。

「ちょっと来い」

やっぱり、叩かれるのかな。

怯えながら店先に戻ったシンを店主はじろりと睨み。

近くの棚から紙袋を引っ張り出し、果物を詰めだした。

「……お前、シンって言ったな」

呆気に取られているシンに店主は無愛想な声で話しかける。

「実はな、お前さんが盗んだ林檎の金はあの先生に十分過ぎるほど払ってもらってるんだ」

そういえば。シンは初めてジャックに会った時の事を思い出した。

『お代はこれで』

そう言ってジャックが紙袋を渡していた。今思えばあれ、お給料だったんだ。

「だからな、これ以上お前さんから金をもらう訳にはいかない。でも」

ちら、とシンを見遣り店主は続けた。

「自分のした事を反省しているお前さんの気持ちは、きちんと受け止めておきたい」

だから。

そう言って店主は沢山果物が入った袋をシンに手渡した。


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