Sin




アパートに着く。きちんと鍵をかけて、テーブルに袋を下ろす。

「……あは、は……」

緊張が一気に解けたのだろう。途端に脚の力が抜け、シンはへなへなと床に座り込んだ。

ちゃんと謝れた。ちゃんと、出来たんだ!

『本当は良い子だったんだな』

店主がかけてくれた言葉を思い出す。優しく頭に置かれた手も。

ぽた、と温かい滴が膝に落ちる。

「ふぇ……」

不意に涙が込み上げて来て、シンはしゃくりあげながら泣いた。

この国のほとんどの人がルージャの人間に偏見を持っていたとしても、そうでない人もいるのかもしれない。少なくとも何人かは。

一生懸命頑張っていれば、ちゃんと分かってくれる人が。ちゃんと俺を“一人の人間”として見てくれる人が、いるかもしれないんだ。

それはシンにとって、果物をもらった事や万引きを許してもらえた事より何倍も嬉しい事だった。


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