Sin
「ジャックと住んでから、泣き虫が移ったかもしれないな」
ひとしきり泣いた後、シンは袋から果物を取り出しながら呟いた。すん、と鼻をすする彼の目はまだ赤い。
八百屋の店主がくれた袋にはなんだかいろんな果物が入っていた。シンが今まで見た事も無いような。
「これはオレンジ、これはバナナ」
一つ一つテーブルに並べてみる。
「これ、なんだろ?」
緑色の丸い果物。網みたいなしましまで全体が覆われている。
くん、と匂いを嗅いでみる。見た目からは想像のつかない甘い匂いに、シンは小さく首を傾げた。
「俺、これ初めてだ。後でジャックに聞いてみよ」
一番下にはシンが好きな林檎が入っていた。十個以上はある。
「これ、二人で食べ切れるかなぁ。林檎はこないだジャックが買ったのもあるし」