Sin
「そういえば前から聞いてみたかったんだけどさ」

勉強が終わった後、焼き林檎を食べながらシンはジャックに尋ねた。

「ジャックの親ってどんな人?」

一瞬、戸惑うような色がジャックの瞳を通り過ぎ。

「……良い人だったと思うよ」

いつもの笑顔でジャックは答えた。シンのお気に入りの茶色いマグカップに熱い紅茶を注ぐ。

“だった”って、過去形か。やっぱりジャックは家族と何かあったのかも知れない。

それとももう死んじゃったのかな。いや、それならそう言うよな。

二個目の焼き林檎をフォークでやっつけながら、シンはもう少し探ってみた。

「ジャックはどっちに似てるんだ?」

「どちらかというと母親かな」

「へぇ、いいな。羨ましい」

差し出されたコップをシンはありがと、と受け取る。


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