Sin
ジャックは自分に縋って大声で泣くシンを思い出した。

シンが約束を破ってまで商店街を飛び出したのは、母親を不幸にしたいからではなくただ抱きしめて欲しかったからだろう。

なのに。

「またこの子はあたしの幸せを奪うんだ。そう思った時にはあの子の首を締めていた」

一瞬、手を挙げそうになった。ジャックはきつく拳を握り締めて堪えた。

「自分が何をしてるのか分からなかった。苦しんでるシンがあの人に見えて良い気味だと思った」

肩が激しく揺れ、母親は叫んだ。

「本気で殺したかった訳じゃない! シンを本気で憎んでるんじゃない! 何をしているのかどうしたらいいのか、自分でももう分からないのよ……!!」

地面を叩きながら母親は泣き崩れる。声をあげて泣く母親の姿を、ジャックは苦い表情で見下ろしていた。


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