Sin
「あたしが……悪いんじゃ無い……」

「だからと言って、あんたのした事が許される訳じゃないだろ」

母親の言葉を否定しなかったものの、ジャックの口調は厳しかった。

「どんな理由があったにせよ、罪の無いシンを苦しめた事実は変わらない」

うぅ、と呻いて再び深く俯いた母親にジャックは幾分声を和らげる。

「本気で憎んでいた訳じゃないと言ったな。その言葉が真実なら、その気持ちが本心なのなら」

短く間を置き、きっぱりと言う。

「もう二度とシンに会おうとするな」

母親はぱっと顔を上げた。ジャックの言葉の本意が分からず当惑しているような表情。

「本当は憎みたくないんだろう? なのに顔を見ると殺したくなるんだろう? どうしたら良いか分からなくて辛いんだろう? だったら」

ジャックは真剣だった。もうこれ以上二人に――シンにも母親にも傷付いて欲しくなかった。

「もうシンに会うな。その方がお互いのためだ」

「……お互い、の……」

「シンは僕が引き取る。僕が責任を持って育てる。だからあんたはあの子の事を忘れて」

目を逸らして言葉を押し出す。

「……幸せになればいい」


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