Sin
楽しそうに笑うジャックに少しほっとしたせいか、酔いのせいか。

足元がふらついてシンはよろけた。

「っとと」

「飲み過ぎだな」

「ジャックが入れすぎたんだろ」

あれくらいの方が美味しいけど。

そう言って悪戯ぽく舌を出すシンの額を小突き、ジャックは彼を抱えあげようとして屈んだ。

と、首に回される細い腕。

「……俺、ジャックが世界で一番好きだ」

微かに涙声のシン。ぎゅ、と強くジャックに抱き着き、続けた。

「俺、死んじゃったジャックの友達の分も頑張って生きる。幸せになる」

じわり、緑色の瞳が潤む。

「そしてさ、可愛い嫁さんもらって、ジャックの老後の面倒も見て、いっぱいいっぱい幸せになって、いっぱいいっぱいみんなに幸せあげられるように頑張る」

だから。

シンは囁くような声で言った。

「そんな、辛そうな顔して笑うなよ」


< 274 / 331 >

この作品をシェア

pagetop