Sin
ジャックはすぐには答えなかった。

時計の針がカチカチ進む音に、冷たい風でカタカタ揺れた窓の音が重なる。

「俺、ガキだし頭悪いけど。ジャックがなんか辛いんだなって事くらいは、ちゃんと分かる……」

堪えていた涙が急に溢れてきて。言葉が続かなくなって。

シンはジャックに抱き着いたまま泣きじゃくった。

悔しい。俺、ジャックに沢山助けてもらったのに。沢山支えてもらったのに。

なのに俺はジャックの辛い事一つ無くしてあげる事も出来ないんだ。

俺がもっと大人だったら。もっと頭が良ければ。ジャックの事、もっと上手く助けてやれるのに。


……ぽんぽん、と。

宥めるように背中をさするジャックの手が優しくて、余計に泣きたくなる。


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