Sin
「もう……無理に、笑うなよ……」

シンはボロボロ泣きながらそう繰り返す。一体どちらが慰められているのか分からない。

『親に虐待されて自殺した』
『助けてあげられなかった』

以前寂しそうに話してくれた事を思い出す。それは多分、ジャックが“親”を恨んでいる理由の一つなんだろう。

感情が高ぶってきたのに酔いも手伝って、シンはジャックに思っているままをぶつけた。

「ジャックの友達が死んじゃったのだって、ジャックのせいじゃねぇよ。助けたいって思ってくれる人が居るってだけで、どんだけ幸せか俺良く分かる」

「……シン」

「ジャックがいなかったらその子もっと早くに死んじまってたかも知れないんだ。やれるだけやったんだろ、ジャックは悪くねぇよ」

シンは腕に力を篭めて続ける。

「ジャックのせいじゃ、ないんだ……」


ぎゅ、と。

不意に強く抱きしめられ、シンは小さく声を上げた。


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