Sin
「しかしねぇ、こいつは」

「お願いします。お代はこれで」

今日もらった一ヶ月分の給料。ジャックが渡した金額を見て、店主は少年の手から足を避けた。

最後にもう一度力をかけられたらしく、少年は手を押さえながら道路に倒れ込んで痛みに呻く。

「さ、君。行こう」

助け起こそうと近づいたジャックの顔に、少年は思い切り唾を吐いた。

「触んな!」

独特な訛りのある叫びと浅黒い肌の色。

恐らく彼は、最近政府が神経を尖らせているルージャからの移民だろうとジャックは推測した。

「別に取って食うわけじゃない。お腹空いてるだろ?」

少年はギロリとジャックを睨む。目が大きいからか、なかなか迫力がある。

「僕はこれから夕食だ。よかったら一緒にどうだ?」

目の前に差し出されたジャックの手に、少年は突然喰らい付いた。


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