Sin
「わかりません。一体先生の何が欠点なのですか」

ジャックは答えず、ただ微笑んだ。子ども達を見つめる時と同じ優しい笑み。

ただ、その温かい笑顔に暗い影が隠れている事に施設長は気がついた。

「もちろん、こちらとしては先生にずっと居ていただきたいのですが」

「……どうかこれからもよろしくお願いします」

多くを語らず、ジャックは再び頭を下げる。それは試験を受ける気も教員になる気も無いという意志の表れだった。

「ではまた明日」

帰っていくジャックの後ろ姿を見つめ、施設長は一つ溜息をついた。


< 82 / 331 >

この作品をシェア

pagetop