Sin
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教育実習で行った小学校。

アレクセイはいつも教室の隅にぽつんと座っていた。

小学三年、元気盛り。休み時間にはみんな外へ遊びに行くのに、アレクセイだけは教室に残ってノートに何か書いていた。

色白で、細くて。体が丈夫では無いようで、よく倒れて保健室に運ばれていた。

彼の事が気になったジャックは、ある休み時間アレクセイに話し掛けてみた。

「何を書いてるの?」

突然話し掛けられたアレクセイはびくびくしながら答える。

「お、おはなし」

「どんなお話?」

ジャックが微笑むと彼はちょっと迷い、小さな声で尋ねた。

「……笑わない?」

「うん。約束」

アレクセイはおずおずと自由帳をジャックに差し出す。その白い腕に、赤紫に鬱血した痣がある事にジャックは気がついた。


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