Sin
「怪我してる」

ジャックが言うとアレクセイは慌てたようにさっと腕を隠した。

「いじめられたのかい?」

目を逸らすアレクセイ。

「こ、転んだの」

明らかに転んで出来るような痣ではない。ジャックはすっとアレクセイの手を取った。

「ちょっと、いいかい?」

袖をめくる。服に隠された痣、痣、痣。

「ぼ、僕、体弱いから」

アレクセイはおどおどしながら話す。

幼い頃の友人に似た表情。彼の怯えた瞳にジャックは昔の事を思い出した。



あれはジャックが小学四年の事だ。

学校は違うけれど家が近かった男の子と仲がよかった。


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