Sin
アレクセイの書いている物語は、表現は子どもらしいもののどこか透明感があり、作家の才能を感じさせた。

「このお話は次どうなるんだい?」

ジャックが問うとアレクセイは嬉しそうに顔を綻ばせて尋ねかえす。

「知りたい? 先生」

「うん、知りたい」

「じゃあ、」

アレクセイはノートをかばんにしまいながら言った。

「続き書いたらすぐに見せてあげる。先生だけに」

約束、と言って彼は小指を出す。指切りした後、家に帰るアレクセイは途中でジャックを振り返った。

「明日には書いてくるからね! 先生、楽しみにしてて!」

教室では見せない明るい笑顔。ジャックは複雑な気持ちで彼の後ろ姿を見送った。


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