1/2 〜危険なベターハーフ〜
「浅野さん、
怪我しちゃったんですか?」
ハンドルを握る左手の
人差し指に絆創膏がひとつ。
「ああ、ちょっとね」
「またですか??」
彼女の[また]というのは、
俺はいつも何かしら
指に絆創膏を巻いていて
見る度に場所が変わってる、
と視線を人差し指に注ぐ。
そんなつもりは…
ない…
つもりなんだけど。
心配そうに見つめる彼女。
指先だけでも気に留めて
いてくれるのがわかって、
素直にうれしかった。
同じくらい恥ずかしいんだけど。
それはいいや。
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