1/2 〜危険なベターハーフ〜


励ます振りをして、
そっと美羽ちゃんの髪に
確かめるように触れた。

柔らかくてしなやかで。
絹のように細い髪に。



仕事が残っているように
彼女に見せるために、
別に今じゃなくてもいい
仕事に手を着けた。

視界の隅に、
彼女の一生懸命な姿が映る。



…それだけで俺には
良かったのかもしれない。



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