世界の説明書
ただ、自らあの子を捕まえ監禁するとなったら、警察が厄介だな。奴らこそ本当に腰抜けだ。制服というお守り無しでは、何も出来ない。最近の婦女暴行も、ひき逃げも、汚職も、全部奴等の仕業だ。似非の権力を振りかざし、強者に従い、弱者をいたぶる。自分は弱者も強者も関係ない。邪魔なものは消すだけだ。そう思うと、二郎は、なんて自分は崇高で、高尚な男なのだろうとため息が出た。どうすれば警察の馬鹿の目が自分に向かない様に出来るのか。そこだ。例えあの少女に好き放題出来ても、奴らに逮捕されたら、相当面倒くさい事になる。ぱちぱち、ぱちぱち。うるさいな。警察の人間の誰かを自分が支配すればいい、そしてそいつに自分の事を守らせればいい。二郎はまたしても自分の考えた出した閃きによって興奮し、LUCKY JUICEのボトルを手に取り意味も無く眺めた。自分が本物の警察になろうかとも一瞬思ったが、偽善だらけの法律を偽善者に教えて貰う位ならいっそ死んだほうがましだなと、直ぐに考え直した。では、警察の誰かに、車で誰かを引いて貰うか、はたまた、恐妻の尻に引かれている奴に、そいつの女子校正との浮気現場の写真でも見せようか。二郎の様々な妄想が人間の弱みというものを漁り始めた。今回は奴らの心を破壊するのではなく、縛るのだ、そして自分に絶対に逆らえない様にするのだ。昔読んだおとぎ話で太陽が北風に、優しさこそ人の心を開かせるというような事を説いていたが、優しさじゃ法律の壁を越えられない。いくら奴らに恩を売った所で、罪を犯した人間を自分の出世の種にしか考えていない国家の犬共が、自らの体を張って二郎の事を守ってくれるとは思えなかった。やはり、人を支配するのは奴らの嘘の正義感の裏にある、奴ら自身の自分への罪悪感だ。保身のみを生きる目的としているくせに、自分の下半身には逆らえない馬鹿や、法律の番犬が法律によって食い殺されそうになる時の恐怖。そういった奴等が自ら起こした不祥事を、奴等が必死に隠蔽しようとするのに乗っかってしまえばいい。自分は犯罪の一部になるのではなく、目撃者となり、脅迫者となり、そして支配者となるのだ。さあどんな断罪からの逃避行を奴等が見せてくれるのか、二郎は二本目のジュースのボトルを開けた。 WARE HA SHIHAISHA
死、敗者、
死、敗者、