世界の説明書
 「僕は、ずっと孤独だった。孤独に耐えて、寂しさに耐えて、そして、後悔に耐えた。僕のせいで昔、何の罪も無い子の光を奪ってしまった。僕にはなんの権利もないのに、間違ってそうなってしまった。お母さんから、絶対にしては駄目っていわれた事をしてしまったから、僕が約束を破ったから、その子は光を失った。それから、僕は絶対にお母さんの言いつけを守ってきた。そうする事があの子への償いだと思ったから。でもお母さんは死んでしまった。僕を一人にしないと約束したのに、置いて行ってしまった。僕は一人だった。今でも一人さ。誰かと話したい、一緒に歩きたい、それすら出来ない僕は、あなたが羨ましいよ。あなたは自由だったでしょ。きっとこの世界で誰よりも自由だったでしょ。何でも出来た。やろうと思えば。もちろん見た目や、他のすごい理由があったとしても、でも、何でも出来たはずだ。何度もあきらめそうになるのに必死に耐えて、何度も何度も挑戦できたはずだ。僕はその挑戦する権利すらなかった。いや、あったのかもしれない。だから、今こうやって話しているのかもしれない。僕はここにはずっと、いれないけど、あなたはきっとここにいた方がいい。そうしないときっと酷い事になる。」
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