世界の説明書
ぱちぱち
獲物を見つけた獣は獲物が来るのをじっと草陰で観察し、確実に仕留められる距離まで近づくのを待つ。しかし、人間は待たない。獲物を、確実に仕留められる場所まで導き、仕留めた事すら隠そうとする。
なぜかその日は三月なのに雪が降った。昼を見越して薄着にするか、夜を見越し厚着でいくか、金を貯めるか、使うか、犯るか、犯らないか、吸うか、吸わないか、全ては決まっていた。一瞬で人は世界を変える事が出来る。見える景色が全く変わる感覚。目が覚める快感、目を覚ますいらつき、目を開くだるさ。
「うざい。うざい。うざい。」 耳の裏から聞こえる、ぱちぱちという音に二郎はいらついていた。毎朝起きると最初に聞こえる音。彼の耳の中の気圧が、やたら荒い彼の鼻息で上がる。そして耳から空気が漏れだす。それによって常に聞こえるぱちぱちという音、唯一聞こえなくなるのは射精の瞬間だけだった。その一瞬が二郎の全てだった。いらつき始めた心とストレッチもなしにいきなり臨戦対戦の二郎の股間が手を組んだ。エンドルフィンを体外に抽出する方法を考え抜く学者が現れ、全ては上り詰めた。また、いつもの朝が始まった。二郎の朝は決まってコーラとピザだ。高校には通っていないので毎日起きるのは夕方四時頃。ペペローニピザを食べながら最新のテロリストの首切り映像を楽しみ、コーラを一気に飲み干す。
獲物を見つけた獣は獲物が来るのをじっと草陰で観察し、確実に仕留められる距離まで近づくのを待つ。しかし、人間は待たない。獲物を、確実に仕留められる場所まで導き、仕留めた事すら隠そうとする。
なぜかその日は三月なのに雪が降った。昼を見越して薄着にするか、夜を見越し厚着でいくか、金を貯めるか、使うか、犯るか、犯らないか、吸うか、吸わないか、全ては決まっていた。一瞬で人は世界を変える事が出来る。見える景色が全く変わる感覚。目が覚める快感、目を覚ますいらつき、目を開くだるさ。
「うざい。うざい。うざい。」 耳の裏から聞こえる、ぱちぱちという音に二郎はいらついていた。毎朝起きると最初に聞こえる音。彼の耳の中の気圧が、やたら荒い彼の鼻息で上がる。そして耳から空気が漏れだす。それによって常に聞こえるぱちぱちという音、唯一聞こえなくなるのは射精の瞬間だけだった。その一瞬が二郎の全てだった。いらつき始めた心とストレッチもなしにいきなり臨戦対戦の二郎の股間が手を組んだ。エンドルフィンを体外に抽出する方法を考え抜く学者が現れ、全ては上り詰めた。また、いつもの朝が始まった。二郎の朝は決まってコーラとピザだ。高校には通っていないので毎日起きるのは夕方四時頃。ペペローニピザを食べながら最新のテロリストの首切り映像を楽しみ、コーラを一気に飲み干す。