世界の説明書
 二郎の計画はゆっくりその幕を開けた。
 先ほど買った酒は、この公園の住人で、よく主婦に変な白い粉が入った袋を売っている外国人に、しょっちゅう殴られている、いつも虚ろな目をしているホームレスに飲ませた。それを飲んだそのホームレスはまっすぐに歩けないほどに泥酔した。もともと、薬で脳の半分が溶け出しているような状態だったので、二郎の悪魔のささやきが天の思し召しに聞こえていた。
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