世界の説明書
二郎が渡した小袋を、開いた瞳孔が剥ぎ取っていった。トイレまで歩いていく彼の背中には、今まで見た事も無いほどの闘志が燃えていた。それを見送り二郎は、明子へ話しかけたのだった。
そして明子は公衆便所に入った。
「ここは車の通りが多いから少し歩こう。 すぐ近くにお母さんを待つのにいい場所があるから」
二郎にいわれるままに名子は点字ブロックからはずれ、右も左も、文字通り分からぬまま公園から離れた。このままこの女をさらってもよかったが、二郎は自分の計画が上手くいくかどうかが気になっていた。また、こんな昼間にこの目の見ない女と町をうろつくのは、証拠を振りまいている様で危険だと考えたからだ。
公衆トイレに入った明子が
「すいません。 大丈夫ですか。どこか具合が悪いんですか。」と公衆トイレの中を覗き込むと、手に注射器を持った男性が待ち構えて居た。
いきなり、何かを注射器で体に注入された明子は激しい目眩を感じ、その場に倒れこんだ。 天をも貫くような悲鳴が聞こえたのはそのすぐ後だった。
そして明子は公衆便所に入った。
「ここは車の通りが多いから少し歩こう。 すぐ近くにお母さんを待つのにいい場所があるから」
二郎にいわれるままに名子は点字ブロックからはずれ、右も左も、文字通り分からぬまま公園から離れた。このままこの女をさらってもよかったが、二郎は自分の計画が上手くいくかどうかが気になっていた。また、こんな昼間にこの目の見ない女と町をうろつくのは、証拠を振りまいている様で危険だと考えたからだ。
公衆トイレに入った明子が
「すいません。 大丈夫ですか。どこか具合が悪いんですか。」と公衆トイレの中を覗き込むと、手に注射器を持った男性が待ち構えて居た。
いきなり、何かを注射器で体に注入された明子は激しい目眩を感じ、その場に倒れこんだ。 天をも貫くような悲鳴が聞こえたのはそのすぐ後だった。