世界の説明書
 「そうなの、ごめんなさいね、あの時あなたがあまりにも動揺していたから話さなかったけど。あの子はあの事故以来目が見えなくなってしまったのよ。でも、あなたのせいじゃないからね。あの子の運命だったのよ。」


「え、運命。うん、、でも、、違うよ。僕があそこに居なければあの事故だってなかったはずでしょ。僕があの子の目を奪ってしまったんだ。なんで、なんで今まで話してくれなかったの。」

「ごめんね 坊や。ただ、あなたに話をしても幼いあなたには意味が分からなかったはず。あの子の事であなたが自分の胸を痛めて欲しくなかった。彼らに特別な感情を持って欲しくなかったの。彼等との関わりを何ひとつ持って欲しくなかったの。そうでもしなければあなたは今でもその子の事を思い出し、そしてその子の事で自分を責める。そうしているうちにあなたとその子が繋がってしまう。そんな気がしてあなたには話せなかったの。」

「でも、でもね、僕のせいで、一人の人生がめちゃくちゃになってしまったんでしょ。僕はそんなの耐えられない。僕はその子を傷つけ、一人で生きていけないようにしてしまった。なのに、僕は何も知らずにママとこうやって生きてる。たとえ一人で遊ぶことばっかりでも、空の色、花の色、自分以外の色は全部見えてる。僕はあの時なんて事をしてしまったんだ。」
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