世界の説明書
「な、なにを、、い、今更、あ、あ、あ、当たり前じゃないか。」
「うん、分かってる、でもママが死んでからパパは変わった、あまり飲まなかったお酒も毎日飲むし、私にもあまり話しかけてくれなくなった。私が悪いのは分かってる。パパも、ママも、私が目が見えないから、私の為にいっぱいお金や時間を使ってくれていた。私の目が見えてさえいれば、ママも死ななかったかもしれないし、悲しんでいるパパをもっと助けられるし、ママのお墓にも一人でお花をあげにだって行けるのに。パパ、本当にごめんなさい。私の目がこんなんでごめんなさい。」
正人は言葉を失った。そして、正人は自分の想像より遥かに大人になっていた名子の言葉に驚いた。いつまでも子供で世界の事なんてこれぽっちも解っていないと思っていた娘がこんなにも自分達に起こった全ての事を、自分よりも真っ直ぐに受け止め、そして誰よりも悩んでいた事にだ。正人の目から熱いものが垂れた。名子の言葉で、正人の目から鱗が剥がれた落ちた。自分は全ての不幸の被害者だと、一人よがりの悲劇のヒーローに成り下がっていた事に、まざまざと気付かされた。名子はまだ十一歳。それなのに名子に、まるで明子の死が、全ての不幸の始まりが、名子の目のせいであるかのように言葉で言わず腐る事で、悲しむ事で表現しようとしていた己の弱さに腹が立った。不幸の原因は名子のせいだなんて思った事は一度だって無かった。しかし、今の自分が苦しんでいる理由の一つには、名子の事があった。
「うん、分かってる、でもママが死んでからパパは変わった、あまり飲まなかったお酒も毎日飲むし、私にもあまり話しかけてくれなくなった。私が悪いのは分かってる。パパも、ママも、私が目が見えないから、私の為にいっぱいお金や時間を使ってくれていた。私の目が見えてさえいれば、ママも死ななかったかもしれないし、悲しんでいるパパをもっと助けられるし、ママのお墓にも一人でお花をあげにだって行けるのに。パパ、本当にごめんなさい。私の目がこんなんでごめんなさい。」
正人は言葉を失った。そして、正人は自分の想像より遥かに大人になっていた名子の言葉に驚いた。いつまでも子供で世界の事なんてこれぽっちも解っていないと思っていた娘がこんなにも自分達に起こった全ての事を、自分よりも真っ直ぐに受け止め、そして誰よりも悩んでいた事にだ。正人の目から熱いものが垂れた。名子の言葉で、正人の目から鱗が剥がれた落ちた。自分は全ての不幸の被害者だと、一人よがりの悲劇のヒーローに成り下がっていた事に、まざまざと気付かされた。名子はまだ十一歳。それなのに名子に、まるで明子の死が、全ての不幸の始まりが、名子の目のせいであるかのように言葉で言わず腐る事で、悲しむ事で表現しようとしていた己の弱さに腹が立った。不幸の原因は名子のせいだなんて思った事は一度だって無かった。しかし、今の自分が苦しんでいる理由の一つには、名子の事があった。