涙の足跡


 「ピピピピピッッ…\\\」
 「♪♪~♪~♪♪♪」


 セットしてあった、
 目覚まし時計とケータイのアラームが
 同時に鳴り響く…。

 
 五月蝿いな…。
 
 こんなんだったら、
 アラームだけにすれば良かった。



 『ぅんも、起きますよっ。』


 手荒に目覚まし時計とアラームを
 止めると上半身を起こしたまま
 ボーッとする。


 なんだったんだろ…あの夢。


 あんまり覚えてないけど、
 私、誰かと一緒だった。
 夢…だよね?

 だからいいよね?
 気にしなくて……




 そう、自分に問いかけ、
 ベッドから立ち上がる。

 そして、


 
 大きく背伸びをして、
 制服に着替え、学校に行く準備をした…



 『お母さん、おはょ~…。』


 若干、寝ぼけ気味の声でキッチンにいる
 お母さんに一応、一声掛ける。

 するとお母さんは首だけ振り返った。



 「おはよ。あんた今日は遅くていいん
  じゃないの?」


 『今日は、早く行きたい気分だからかな?
  そういえば、昨日洗濯機に入れといた
  水色のハンカチどこ?』



 
 私は、周りをチョロチョロ見渡しながら
 聞いた…。



  



 



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