涙の足跡
一応辺り一帯を見渡したけど…
どこにも見当たらない。
「ぁあ、あの綺麗なハンカチなら
アイロンしたまま、アイロン台の
上に置いといたわ。」
アイロン台っっ?
もぅ、ちゃんとここに
持ってきといてよ~~。
私は、すぐにアイロンとアイロン台
が置いてある和室の方へ向かった。
そして丁寧にたたんであるハンカチを
手に、私はすぐにリビングへ戻った。
「今日も、私とお父さん帰り遅くなる
からね?」
せっせと料理の乗ったお皿を机に
運びながらお母さんがそう言った―…。
『言われなくても、
毎晩そうだから分ってるよ。
1人でも全然平気だから心配しなくて
大丈夫だからっ!』
私はそう言って、朝ごはんを食べ始める。