甘い記憶

犬のマスコット

「…どうかしたんですか?」

桜が心配そうに、春樹に問い掛ける。

「え…、ぁあ〜ゴメンゴメン!可愛いじゃん!そのマスコット!」

「先輩もそう思います??みんな目がキモいって言うんですよ〜!?有り得ないですよね〜!良かった〜!先輩は分かってくれて!」

この時春樹は、一瞬足が動かなくなった。

このマスコットは桜の兄の手作りで兄とオソロイの物だ。この世界で桜と兄の二人しか持っていない。だが、春樹はそのマスコットを持っていた。

『桜ちゃんは……まさか!!』

「春樹先輩〜!またボ〜っとしてますよ〜!」

桜の言葉でハッとする春樹。

「あっゴメンゴメン!…家、行こっか。」

「はい!」

『桜ちゃんが妹なわけない!…こんなキレイじゃない!!…幼くて、泣き虫でわがままな…………って、昔の話だろ…。今はもう…15歳だし…。』

「先輩ってどこに住んでるんですか?」

「ぁあ〜A駅の近くだよ。」

「じゃあ私の家とちょっと遠いですね。私C町の〇〇アパートなですよ!」

「そっか…。」

『桜ちゃんが妹だったら……俺…もうダメだ…。』
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