甘い記憶

告白

「ワンッ!ワンッ!」

すると、チャッピーがお腹を空かせたのか、ひどく吠えている。

「…チャッピー腹減ったみたいだからエサあげてくる!待ってて。」

「あっ…はい。」

『春くん……私、春樹先輩が春くんだったら…どうなっちゃうんだろ…?こんな偶然って…。』

「……」

「今エサあげて来た。」

「あっ…はい。」

また無言が続く。

「…桜ちゃん、ちょっと質問なんだけど…。」

春樹がおどおどと聞く。

「…何ですか?」

「桜ちゃんって、彼氏とか居るの?」

いきなりこんな質問で、桜はビックリする。

「い…いいっ居ませんよ!」

「フフッ…じゃあ、俺のことどう思ってる?」

「えっと…兄にそっくりな年上の先輩。」

「そっかぁ。俺は妹にそっくりな鈍感娘(笑)」

「!!ひっど〜いっ」

「ハハッ…ねぇ、【お試し】で良いから…俺と付き合ってみない??」

「……」

思ってもいなかった言葉に桜はポカンとしている。

「ぇええ!?」
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