甘い記憶

電話

−帰宅−

学校から帰って来た桜は,真っ先にベットへ向かい,ため息をついていた。

「はぁ…」

『どうもあの先輩,気になる…
春くんに…似てたけど〜……う〜ん。なんか…苦手だなぁ〜』

桜は自分でもびっくりしている。
兄と先輩…なにもかも一致しているからだ。

と その時,

♪ピロリロリ〜ン♪

桜の携帯が鳴りはじめた。
杏菜からである。

「あ,杏菜からだ。」

桜は携帯を開いた。

「もしもし?」

《もしも〜し?桜??杏菜だけど〜来週の土曜日って暇??》

「うん,暇だけど?」

《じゃあさ,遊園地行かない?招待券貰っちゃったんだ♪しかも4枚!!》

「4枚ってことは…他に誰か来るの?」

《うん♪イケメン二人!》

「男の人連れてくるの!?」

《え?ダメ??》

「…ダメじゃないけど…ただ…緊張する。」

《慣れれば大丈夫だよ♪じゃあ午前10時にバス停で待ち合わせね♪そんじゃバイなら〜!》

♪ピッ♪

桜は携帯を閉じた。

『来週の土曜日…かぁ…なんか,Wデートみたい…あ,もうこんな時間!!お風呂入らなきゃっ!!』

桜は小走りで自分の部屋から出て行った。

< 8 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop