いばら姫



「… あの人
パッと出みたいに言われてるけどね

三年位かな
―― 何処だかのイベント会社でバイトして

顔覚えて貰って、自分の作品持ち込んだり
売り込む努力、かなりしてる


最近出した『Azurite』のプロモ
かなり僕は好きなんだけど…



テレビでやってる、特撮ヒーロー物とか
あれも一回の予算は、メジャー所で五百万前後

着ぐるみ一着で、何十万
ボスや主役級だと、何百万単位だし


―― 監督にはね
趣味の範囲でいいなら誰でもなれるんだ

独りで出来ない規模になった時
それに力を貸してくれたり
金を出してくれる他人が
居るか居ないかなだけでね


本当は湯水の様に使いたい筈の
制作費の調整と
なるべく安くあげて貰える様に
頭下げまくるのが、僕の役割」



「 大変ですね…」


「だって僕は、
吉田とジョンが作る物が好きだからね

それに関わっている事が嬉しいし
次が見たくて、体が動くよ


ここはそんな奴ばかりだし
――― 吉田にしたって
あんな無口で愛想も悪いけど

ジョンに言われたからって
わざわざ何の興味も無い奴を
自分の所に置かないし

そうそう
君の『歓迎会、何処でやる?』って
吉田に昨日、ボソッと聞かれてたんだ

何処か希望の所あるかい? 」







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