いばら姫



「 …『Azurite』よ

腰、鎮痛剤打って、
無理矢理動いてたんだけど

スタジオの廊下で、貧血起こしてね

こっそり…、あの子のメイクだか
スタイリスト連れて来て
楽屋まで運んでくれたのよ


―― 今回こっちに来たのも
腰の良い医者が居るって
紹介してくれたからなのよね 」

『 …そ
じゃあ早く何処か暖かい所に 』

「 大丈夫よ
御蔭でだいぶ良いの

―― 何なら滑って来て良いわよ
昔来た時には、二十ドル位で
遊ぶのと靴借りるのも足りたけど 」


「… いえ 」


「 ふ
… そんな場合じゃなかったわね
夏季までは
ここ、オープンカフェになるけど…

あの一番高いビル
上のレストランにでも行きましょうか 」


「 …それ、持ちますよ 」


「―― あら ありがとう 」



紙袋を持ち
小松原さんがぎこちなく方向転換する


腕を支え、歩き出した時
何処かから、フラッシュが焚かれた




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