いばら姫






『―― リアルの敵の攻撃は
かなり、痛いな ―――』


そんな馬鹿な考えが
頭を巡る


あれだけ上っていた憤慨も
潮が引いた様に収まり


人の増えて来たホールの片隅
どこかのバンドが演奏する
『タイムマシーン』を聞こえてくる


…これはアズが
"淳との話で、出来た歌だよ"と
言っていた

1stアルバムの、最後の曲



―――― なら
今 来いよ アズ

…小学生の頃の俺の所なんて
来なくていいから


奴と出会う前の
おまえが来てくれ



奴らの為に
荊の冠を被ったおまえじゃなくて

……誰かの為に
手や腹に
傷を抱えたおまえじゃなくて



…………リアルなら
道に迷ったって怒らねえよ

俺がどこにだって連れてってやる

ゲームの中でクエストが進むと
おまえ勝手に一人で
何処へでも行くから
それが嫌で手伝わなかった事もあるけど
ごめんなさい


海だって
…見せたい景色だってある

リアルでそんな事はしないから



――― 普通の

女の子でいいんだ

……… アズ







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