いばら姫
残った演奏者と
招待客のフリしたガード
本当の招待客
あれだけ人が出ていったのに
まだライヴハウスの中は
満員に近い状態で――
一応は
ミュージシャンが競り合う
コンテストも兼ねていると言うのに
…この和気あいあいは何なんだ
俺の中のイメージだと
――他のバンドとは
目も合わさない
口も利かないみたいな物があって
松田さんも嬉しそうに
マイクを通して
『参加賞を渡しますので
少し待っていて下さい』
そんな台詞を言っていて
ホール中から
『運動会かよ』
『何だそれ 』と、
ドッと笑いが起きていた
―――― 途端に少しづつ
観客の隙間を
ガード達が移動する
何も知らない、出演者達――
そしてステージには
"スタッフ"が現れ
床や器材をいじったりしながら
しばらく場内を観察している
――― そして
その後から現れたスタッフ
− ステージの上
ギターを持ち
ひょこひょこと、前の方まで移動して来て
マイクを持ち、声を出した
『あの〜…
松田の方
まだ少しかかるみたいなんで
その間ちょっと
映像出したり、音だしたりしますが
すみません』
キン…と
ギターのハウリングの音
「はーい」や「ウーッス!」と
皆、声を揃えている
『…ちょっと映像流した後
CheaーRuuさんの
【You】コピったりしてみても
いいですか?』
皆、どっ と 笑う
丸メガネ
あのバンドのドラマーは楽しそうに
「どうぞどうぞ〜〜!!」と
声を出した
――― そして
ライヴハウス内の照明が
一段、暗くなり
ミラーボールが止まった