【企】真夏の夜に、君に溢れる想いを
「はー……久しぶりによく笑った」
あれから、約10分後。
ようやく笑いがおさまった彼と、私はベンチに座っている。
「あの……本当にすみませんでした」
「や、いいよ。これ、糸がほつれててもとから破れそうだったし」
な、なんて優しい……
「それより、何か用があったんだよね?なに?」
そう笑顔で聞く彼。
用って……
考えてなかったよー!
けど!
「あ、あの!名前、なんて言うんですか?私、優菜って言います!」
そう勢いよく言うと、
「俺は、宮崎 渉(ミヤザキ ワタル)」
ワタルくんって言うんだぁ……
「あの!かかか彼女いるんですか?」
「いないよ?」
いないんだ……
じゃあ……
「あの!スキ……
焼き好きですか?」