大空で駆ける
アタシはその場にしゃがみ込んで岬を見上げた
そして、アタシのスカートを掴んでいた小さな手を握った

「お姉ちゃん、渚探してくるから。岬は鍵締めてお家で待ってて」

岬は初め首を傾げていたが
小さく笑って「わかった」と言った
アタシは岬の頭を優しく撫でて立ち上がった

玄関まで岬がついてくる

「誰か来ても開けなくていいからね!じやぁ行ってくるね!」

岬が笑顔で手を振る
アタシは扉を締め、外から鍵をかけた

過保護なんだな…
アタシ、お母さんみたい

そう思いながら家を後にした
< 86 / 142 >

この作品をシェア

pagetop