大空で駆ける
心当たりがある場所を探してみる

どこ?
渚…ばか

学校
公園
渚がよく行く野球場


でも
渚の姿はどこにもなかった

アタシはだんだん気持ちが締め付けられていくのを感じた
ずっと走ってたからだ
息が苦しい

絶えられなくなってその場で立ち止まった
中腰になって膝を抑える
自分の呼吸が速くなってるのが分かった

どうしよう…
渚…
どこにいるの…

気がついたらケータイを握って
見覚えのある番号を押していた

『もしもし…』

「もしもし、千尋?!」

電話はそう…千尋にだった
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