大空で駆ける
『わかった、一緒に探してやるから。とにかく落ち着け』

千尋が宥めるような口調で言う

『今どこだ?』

「渚の学校の近くの歩道橋」

アタシがそう言うと
「わかった」とだけ言って電話を切った千尋

それから10分も掛からないで千尋は歩道橋まで自転車できた

「千尋!」

千尋に気づいたアタシは大声で千尋を呼んだ

「お前、制服のままかよ?」

「うん、帰ってすぐ出てきたから」

千尋は上だけ黒いTシャツに着替え、下は制服のズボンだった

「それで?どこ探したんだよ?」

「思い当たるとこは全部探したよ」

千尋がう−ん…と考え込む
< 89 / 142 >

この作品をシェア

pagetop