星のケーキ
「あっ!湖だよ。ロコちゃん、なんてひさしぶりなんだろう」と言うなり、シカは待ちきれなくなりかけだしました。ロコもいそいで追いかけます。



そこには大きな湖がありました。


シカは水をおいしそうにのむと、ロコに聞きました「ところで、森をひとりであるいているのはどうしてなの?ぼくにおてつだいできることはない?」


ロコは願いをかなえてくれる木に会いに行くこと、兄さんのペッカのたんじょうびのことや、ケーキに星をのせたらもっとすばらしいケーキになって、
ペッカ兄さんもよろこぶだろうということを話してきかせました。


シカは目をキラキラさせてうなずき、湖のまん中をつのでさすと
「願をかなえてくれる木は、あの島にいるよ」とおしえてくれました。


そしてロコを背中にのせると湖をわたりはじめました。


水はどこまでもすきとおり、底の草やおよぐ魚たちがすべて見えました。


ロコは夢をみているようでした。


「さあ、つきました。ここからさきはひとりでおいきなさい」
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop