大人になれないファーストラバー
電車がそろそろ来ると言うので、切符を買ってホームで待つことになった。
なんの苦もなくすんなりと切符を買う咲之助と阿宮。
それに続き、あたしも買おうとお金を入れる。
が。
切符の自販機の前で固まって動けなくなった。
分からない…。
切符って、どうに買うのだろうか。
そもそもどこ行きなのだ?
後ろがつかえて来て、ますます焦る。
もう何がどのボタンなのかすら分からなくなった。
混乱してきて人差し指をさ迷わせていると。
横から伸びてきた手がすすすーと動いてボタンを押した。
その動きを目で追っていたら、いつの間にか下から切符とおつりが出てきていた。
「大丈夫かよ」
隣を見ると、いたのは咲之助で。
また助けられてしまったと思う。
「うん」
頷きながら小さく言った。
切符も一人で買えないなんて、さすがにやばい。
悲しすぎて泣きそうになってくる。
「ほら、後ろつかえてるから早くどけ」
咲之助はあたしの手を引っ張ると、自販機の前から強制的にどかした。