大人になれないファーストラバー


電車内の涼しい空気にすっかり慣れてしまっていて、駅のホームに出てすぐにへばりそうになった。




出てすぐにそんな調子なのに、今はその葉山の別荘とやらに向かって炎天下の中を歩き続けていた。






「死ぬ…」





さっきから何回呟いたことか。

脱水症状になってからでは遅いのだと言う思いを込めて、前を歩く咲之助の遠い背中を見つめる。





阿宮が先頭を歩いてて、そのすぐ後ろを行くのが咲之助。



あたしはと言えば、その二人から20メートルくらい離れたとこをのろのろ歩いていた。


咲之助に関しては荷物二人分持っているにも関わらず、ペースを落とさずどんどん進んで行く。

さすが、毎日ボールを追いかけてるだけはあるなと思う。







葉山が行けなくなったことで迎えの車なんか車はずもなくて。

ついでに、管理の行き届いた別荘の方ではなく、古くて民宿のような方に泊まることになったらしい。





太陽がコンクリートを焼くにおいと、ゆらゆらと立つ陽炎のようなものがいっそう気を遠くさせる。





なんだかなあ、と思わずにはいられなかった。



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