大人になれないファーストラバー
それからだ。
そいつに会う時は女になりきろうと思ったのは。
なんかどんどん"道"を外れていく気がしたけど。
会う度に「綺麗になったね」ってそいつが言うもんだから、もう女でいいやって思ってきてしまって。
高校は知り合いが一人もいなくて、自由な校風のところを選んだ。
制服で会っても男だってバレないように、女の子の制服を着た。
化粧もうまくなって、あいつにもっともっと近づきたかった。
まさか男を好きになるなんて、つい最近までそんなこと絶対ないと思ってたのに。
寒い中の撮影を終えた後、自分の上着かけてくれたりとか。
カメラ越しにあたしを見るあいつが遠く感じていきなり泣き出した時は、ワケわからないはずなのに優しくしてくれて。
もう気付けばあいつのことばっかりで。
あたしの人生を狂わせた張本人なのに、いとしくて。
いつしか、離れられなくなっていた。