大人になれないファーストラバー



まるで陶器で出来てるみたいで、扱いに慣れてない人間が触ったらすぐ壊れてしまいそうな。


そんな儚げな表情の蕾が目の前に座ってる。






いつからだろう。
こんな気持ちが生まれたのは。





いつからだろう。

"守ってあげたい"

なんて思い始めたのは。




あたしには、今にも死にそうな地味なカメラマンのあいつを支えなくちゃいけない使命があるのに。






「蕾は今も咲之助くんが好き?」





唐突にそんな質問が頭に浮かんで、口にしかけたパンを離して聞いてみた。




"好き"って言ってくれれば、あたしのこの変な気持ちもどこかへ消え失せるはず。


そう思うのと同時に、"もういい"なんて諦めの言葉を口にしてくれることも望んでる。



なんで?

問いかけてみるけど答えなんて見つからなかった。





蕾は海苔が敷いてあるご飯を箸でつつきながら、しばらく考えてるみたいで。
うーん、て唸ってる。




「ごめん、やっぱ今のナシっ」




今聞かなくてもいいような気がして、悪い空気を振り払うみたいに手をぶんぶんさせながらそう言うと。




「え、聞いて欲しい」



って蕾。


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