大人になれないファーストラバー
その日の夜。
滅多に電話なんかかけてこないあいつからケータイに連絡があった。
「もしもし、何」
「あ。もしかして機嫌悪いでしょ?」
「…」
ヘラヘラしやがってっ
こっちはあんたのこととか蕾のこととか、女とか男とか、悩みまくりなんだからっ
…って言いたかったけど、言える訳もなくて。
「生理痛だよ」って、一回なったこともなくてたいへんさも知らないけど、そんなことを言っておく。
「女の子はたいへんだな」と、ヘラヘラ静かに笑ってる声が聞こえてくる。
「あのさあ、久々に電話くれたと思ったら暇つぶし?」
「あー、うん。」
「本気? 電話代もったいないよ」
「嘘だよ、暇があったら写真撮ってるよ」
「確かに、言えてるー」
ふふ、って笑うと、あいつもふふって笑った。
「で、なに用ですか?」
機嫌が少しよくなって、声のトーンが上がる。
「聞きたい?」
「聞きたい?じゃないでしょ。言いたいんでしょ。さっさと言いなさいよ」
笑いを含んだ声でそう言ってから、今あたし思いっきり女口調だったって、一人複雑な気持ちになった。