大人になれないファーストラバー
夜の電車は混んでいて、冷房が効いてるはずなのになんだか蒸し暑かった。
一駅目で降りたのにも関わらず、長時間人並みに揉まれていたような疲労感。
ムシャクシャして飛び出してきて、自業自得なのに、さらに苛立ち始めた。
どこに行くのかなんて考えてないのに、自然と学校に向かっていた。
やっぱりこの辺は田舎っぽい。
外灯も少なく、暗闇が大半を占めている。
それでも取りあえず途中には明るく光るコンビニがあったりする。
田舎とか都会とか、自分的にはどっちでもいいのだけど。
夜ぐっすり眠れそうなのは断然こっちの町だろうな。
ぼーっとつっ立って、どうでもいいようなことを考えながら暗闇でぼんやりと白く光るコンビニを見つめていると。
コンビニのマークの入っているドアが開いて、馴染みのある顔が出てきた。
逆光でよく見えないが、あれはたぶん…
そう思った途端、走り出していた。
「蕾っ」
名前を呼びながら駆けよって、その細い肩を捕まえた。