大人になれないファーストラバー


振り向いたのはぽかんとした顔。




「びっくりした、観月かあ」




そう言った蕾の目は丸く見開いていて、モモンガみたい。
思わず「ふっ」って笑ってしまった。





「なに?」




不思議そうにあたしの目を覗き込んで来るもんだから、ますます可笑しくて。




「もうっ 蕾は癒し系なんだからー」



と、ウェーブがかった髪の毛をくしゃくしゃって撫でる。



蕾は頭の上に"?"をいっぱい浮かべていそうな、よく分からないと言った表情をしていた。




「それより、なんでこんな時間にコンビニ?」




自分のことは棚に上げて、夜出歩かなそうな蕾にまずそんなことを聞いてみた。




「ん。縮毛矯正剤買いに来たの。」



「え、ストレートにしちゃうの?」




ストレートな髪の毛の蕾を想像してみると、なんだか蕾じゃないみたいになった。




「うん。アイロンかけてくれる人いないし。自立しようと思って。」




この子はこの子なりにいろいろ考えてるんだなあと、親になったように感心して。成長したもんだとじぃ~んと来てしまった。



< 234 / 423 >

この作品をシェア

pagetop