大人になれないファーストラバー
振り向いたのはぽかんとした顔。
「びっくりした、観月かあ」
そう言った蕾の目は丸く見開いていて、モモンガみたい。
思わず「ふっ」って笑ってしまった。
「なに?」
不思議そうにあたしの目を覗き込んで来るもんだから、ますます可笑しくて。
「もうっ 蕾は癒し系なんだからー」
と、ウェーブがかった髪の毛をくしゃくしゃって撫でる。
蕾は頭の上に"?"をいっぱい浮かべていそうな、よく分からないと言った表情をしていた。
「それより、なんでこんな時間にコンビニ?」
自分のことは棚に上げて、夜出歩かなそうな蕾にまずそんなことを聞いてみた。
「ん。縮毛矯正剤買いに来たの。」
「え、ストレートにしちゃうの?」
ストレートな髪の毛の蕾を想像してみると、なんだか蕾じゃないみたいになった。
「うん。アイロンかけてくれる人いないし。自立しようと思って。」
この子はこの子なりにいろいろ考えてるんだなあと、親になったように感心して。成長したもんだとじぃ~んと来てしまった。