大人になれないファーストラバー


もう一度蕾の髪の毛をくしゃくしゃと撫でつつ、「よしよし」って言う。




150センチもないような身長の蕾は175センチあるあたしからすればすごくちっこくて。

思わずぎゅって抱き締めたくなる。





「…なんか、今日の観月、男みたいだね」




勘なのか、それともバレてるのか、蕾の発言にどっきりして我に返る。




「昼休みも、手握ってくれた時かっこよかったよ」




蕾の最大の特徴である"無表情"。そんな顔のままで「かっこよかったよ」なんて言うから、本気か嘘か分からなくて。




「それ、喜んでいいの?」


って聞いてしまう。


すると。





「あ、なんとも言えないよね。観月女の子だもんね。」





質問に隠された本音は伝わるはずもなく、欲しかった答えとは少しズレている。


蕾はあたしが女であることを微塵も疑ってないような様子で微かに笑みを浮かべた。よく見ないと分からないぐらいの淡い笑みを。




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