大人になれないファーストラバー


「すぐお茶淹れるからね」と言うお母さんに「おかまいなく」と言いつつ。
蕾の後を追った。




「観月、こっちこっち」




入りくんだ廊下で迷いそうになっていると、角の辺りで蕾が手招きしていた。




「蕾ー、あ~迷子になったかと思った~」




駆けよって、蕾の手をぎゅっと握った。




「ごめんね。お風呂場のほうがいいのかと思って」




ありゃ。
なんかいつもと立場が逆な感じ。




「こっちだよ。」




蕾は手を握り返してくれて、引っ張って案内してくれる。



一番奥の部屋にたどり着き、蕾がドアを開けると、洗面所があって。
その奥にまた曇りガラスのドア。

どうやらそこがお風呂場のよう。




「じゃ、お願いします。」



あたしを振り返ると、蕾はコンビニで買った縮毛矯正剤を袋ごと渡してきた。




「はいよー」



取りあえず袋からそれを取り出して、箱の裏面に書いてある簡単な説明書きを読む。


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