大人になれないファーストラバー
その光景を見て、思わずカーテンから飛び出して部屋に殴り込んでやりたくなる。
洗濯バサミでびっちりと閉められたカーテンをいっきに開けようとカーテンを握りしめた瞬間。
今度はこっちの部屋のドアが開いた。
やばいと思い、一個取ってしまった洗濯バサミを付け直し、その場に座り込んで寝てるふりをした。
なんかあたし、さっきから蕾に対して嘘が多い…。
「アヤ?…寝てるの?」
パタンとドアを閉じて、蕾が近づいて来る。
あたしはゆっくり目を開けて、いかにも"寝てました"みたいな目で蕾を見つめる。
「…ごめん、ちょっと寝てたみたい」
「ううん、別に。 眠いならアヤもお風呂入っちゃったほうがいいよ。」
蕾はピンク色のチェックパジャマに着替えていて、バスタオルを頭にかぶったままで。
そんな格好であたしの前にしゃがみ込んできた。
「え、悪いよ。帰るからお構いなく。」
「悪くないよ。もう電車ないし帰れないよ。」
「歩いて帰れるよ」
「アヤ、アヤは女の子だよ。危ないよ。」
赤頭巾…じゃなくて、目の前の白頭巾ちゃんは、なんだか真剣な顔でそう言った。