大人になれないファーストラバー



「うーん、じゃぁ、白頭巾ちゃんがそう言うなら。」


「白頭巾…?」




不思議そうな顔をする蕾。

そんな蕾のタオルに包まれた頭に手を置いて。



「なんでもないよー」



って笑ってみせた。




「何、気になる」ってゆう蕾の険しい眼差しに声を上げて笑うと、蕾は拗ねた。



ふと、このカーテンの向こうで起こったさっきのことを思い出す。

たぶんまだ、佐伯マユナは部屋にいるのだろう。



このことは絶対蕾に言えないなと思った。





「…蕾は、知らなくていいことだよ。」



白頭巾とは全然意味の違うそれを無意識に言ってしまうと。



あたしの声音の変化に気付いたみたいで、拗ねていた蕾は尖らせていた口を元に戻した。





「あ、ごめん。変なこと言ったっ お風呂いただいてくるねっ」



「あ、うん。」



蕾はそれ以上何も言わず、あたしは慌ただしく部屋を後にした。



< 246 / 423 >

この作品をシェア

pagetop