大人になれないファーストラバー
「うーん、じゃぁ、白頭巾ちゃんがそう言うなら。」
「白頭巾…?」
不思議そうな顔をする蕾。
そんな蕾のタオルに包まれた頭に手を置いて。
「なんでもないよー」
って笑ってみせた。
「何、気になる」ってゆう蕾の険しい眼差しに声を上げて笑うと、蕾は拗ねた。
ふと、このカーテンの向こうで起こったさっきのことを思い出す。
たぶんまだ、佐伯マユナは部屋にいるのだろう。
このことは絶対蕾に言えないなと思った。
「…蕾は、知らなくていいことだよ。」
白頭巾とは全然意味の違うそれを無意識に言ってしまうと。
あたしの声音の変化に気付いたみたいで、拗ねていた蕾は尖らせていた口を元に戻した。
「あ、ごめん。変なこと言ったっ お風呂いただいてくるねっ」
「あ、うん。」
蕾はそれ以上何も言わず、あたしは慌ただしく部屋を後にした。